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その日 午後から日暮れにかけて かるい夕立ちが通り過ぎた

「それもなし、か。……クロダさんは、何か探偵以外にやりたいこととかないの」
「そうだな――正義の味方、かな」
そう言うと、凪は「ぷっ」と吹き出した。
「なんだよそれ?」
「なんだも何もない。そのものさ。探偵はつまらないことに縛られているけど、そーゆーの一切なしで事件を解決するだけの、ただそんだけの正義の味方。こういうのなら、なってみたいね」
とぼけた口調で、半分ふざけながら言う。
しかし凪は神妙な顔になり、
「ふうん……」
とうなずいている。そして急に顔を輝かせて起き上がり、
「なればいいじゃん。きっとなれるよ」
と言い出した。

――――――――――――上遠野浩平<夜明けのブギーポップ>


忙しい。忙しいはずなんだけど相当にやる気が出なくてそれが作業開始を遅らせてよりいっそう忙しさを増していく。 あまりにやる気が出なくてやばいので自分を追い詰めようかと土曜日から今日くらいまで泊まり込みであれこれやってたけど(選挙?忘れてました)いよいよ心の中に残っていたやる気を使い切ってしまった感じがある。
ところで今日の午後は作業がつまって精神的にかなり追い詰められてきてる後輩が涙目で「卒業できなかったらどうなるんですかね……」って聞いてきたので流石に放置するのもどうかなー、と思ってなにかとアドバイスとかしました。でも、それに対して後悔の念がないわけじゃないのですよ。まあ元々、私ほどの闇の心の持ち主だと自分より苦労してない人間にはかなり冷たくなるので(器が小さいともいう)ちょっとくらい苦労してても「ゲラゲラゲラ、いい気味だぜ!」って気分になるのだけれども。我ながら中途半端でよくない。
まあ、なんで後悔してるかというと私が闇の心の持ち主で他人の不幸を喜ぶ性格だからじゃなくて、「そんなことしている時間があれば作業時間にあてて、少しでも睡眠時間を稼ぐべきだった」とそう思っているのだ。
だったら最初からしなければよかったんだ、それをこうしてブログを書くことに時間を費やしてる段階になってもぐちゃぐちゃと。だったらブログなんて書かずに作業してるべきなんだよ。
私の人生にも私に「なればいいじゃん。きっとなれるよ」と言ってくれる少女がいたら「ああ、彼女は“なれる”って言ってくれたのに俺はこんなにみっともなくて申し訳がたたない」って思うかもしれないけど、私の人生には、私に「なればいいじゃん。きっとなれるよ」と言ってくれる女の子も、死神も出てこないし、私の人生はこれからも続くのでこれはそれだけの話だ。私はちょっと先輩風吹かせて、そのことを少し後悔して、それだけの話。



私の小学校時代と中学生時代と高校生時代は小説なしでは語れない。特に中高と友達がほとんどいなかったので他者の意見を受け取る手段はインターネットと小説だけだったといっても過言じゃない。
だから私は小説が好きで、小説が中心で、ライトノベルとかノベルゲームとかテキストが中心で主役で、その他の要素は枝葉末節だと思っている。というかまあ、正直小説についてる挿絵は二次創作であってオフィシャルじゃないとすら考えてる。まあ、多分この意見はそれなりの人に受け入れられるんじゃないかと思ってるけど“それって小説読みの傲慢じゃねー?”とも思うのです。
そういう意見を聞くたびに不快な気持ちになるというか、違和感を覚えるというか、もっと言ってしまえば“そんなわけあるかボケ”くらいに思うけど「ライトノベルはイラストで売れてるよねー」みたいな意見はよく聞く。それに、ノベルゲームもイラストレータや声優が重要視されてる感じはある(こっちはちょっとわかる)。
それにまあ確かにイラストレータさんの仕事を枝葉末節と切り捨てるのは悪いことのように思わないでもないし、そういう風にちゃんと“テキスト+α”じゃなくて“そういう総合制作物”として認識しようじゃないか、とも思うのです。


とも思うんだけどさー。実際ライトノベル業界って見てると「イラストは交換可能なもの」って感覚で仕事してねー?
いやまあ、イラストレータが仕事をするのが困難になったから小説も終わらせますよ、って言われたらそりゃ理不尽だけども。ダブルブリッドもシャンク!!ザ・レイトストーリーも人類は衰退しましたも続きが出てけっこうなことだと思うけど。
実際どんな感覚でイラストを受け入れるのが多数派なんですか。多数派に従うつもりもないけど、みんながどう思ってるかなんて関係ないぜ、なんて強気に出られるほどでもない。特に業界の人とかイラストレータの人の多数派を知りたい。
まあそんなこんなで上遠野浩平のナイトウォッチ三部作(ぼくらは虚空に夜を視る,わたしは虚夢を月に聴く,あなたは虚人と星に舞う)が星海社文庫より復刊されて買いやすくなっているのでみなさん買いましょう。正直イラストは徳間デュアル文庫だったときのほうが好きです。特にあなたは虚人と星に舞うに関しては星海社文庫のイラストを見たときの最初の感想は「えっ、許せない。なにこれ」だったけど買いましょう。あれ、私そんな感想を抱くくらいにはイラストのこと大事に思ってるのか、なんだ解決したじゃん。
別に徳間デュアル文庫のほうでもいいので買いましょう。特にあなたは虚人と星に舞うはわりと私の中で青春小説のベストというか、ジュブナイル小説とはこうあるべきみたいなそんな小説です。